日本婦道記
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小説日本婦道記 著者:山本 周五郎 |
敗戦直後、この短編集は、婦人たちに向けて、銃後の守りを高揚するもの書かれたと非難された。題名から受けるイメージからか。
ここに登場する女性たちの立場は様々である。そして、愛するものをその愛の故に支えていこうとする献身的な思いがあふれている。が、決して、滅私奉公を勧めるような内容ではない。
全てを注ぎ出すように、愛する人を支え、守っているのである。有島武郎の作品の中に、「愛は惜しみなく奪う」というのがあるが、全くその反対だ。
山本周五郎が、キリスト者であったことを知る人は少ないと思う。このようなところにも、彼の信仰の思いが表れているのかもしれない。
いずれにしても、一読をお薦めしたい一冊。これに限らず、山本周五郎作品は、疲れているとき、悲しいときに読むと、心にポット灯りをともされたような暖かさを感じて止まない。
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